迷踪拳 Mizong Quan
迷踪拳は精華武術會の中心的な武術門派で、基本功・精武十套路などの基礎と基本の套路を学んだ後に学習する上海精武體育會の伝統武術です。
初心者の方は迷踪拳の学習に入るまでには、多少時間がかかりますが、学習希望の多い人気の武術です。

精華武術會の迷踪拳は上海精武體育會を創設した「霍元甲」の迷踪拳で、他の迷踪拳とは異なった風格をしています。
迷踪拳と言えば複雑な歩法が特徴と言われますが、腿法(蹴り技)が豊富なのも特徴の一つです。

また、霍元甲の迷踪拳は北方系武術の伸び伸びとした動作の他、南方系武術の力強さや太極拳 ・ 八卦掌といった内家拳的な動作も数多く存在します。


高い姿勢から急に低い姿勢になったり、突然方向転換したり飛び上がったりと、奇怪な動作が多くあるので、下肢の強化はもちろんのこと、バランス感覚や方向感覚の強化なども要求されます。

迷踪拳の套路は基本の歩型と歩法を重視し、敏速で大きくはっきりとした動きなので、一見すると簡素化され単純な動作の連続に見えてしまいがちですが、実際はスピーディーな動きの中に複雑な動作が含まれています。

歩法や腿法が特徴的と言われている迷踪拳ですが、套路も特徴的で、一つの套路でも熟練度によって少しずつ動作が変化し、難易度が高くなっていきます。套路の変化は、その場その場の状況に素早く柔軟に対応できる様になる為の訓練と、練習者が技の応用変化を理解するためのヒントにもなっています。

日本ではあまり知られていない迷踪拳ですが、李連杰(ジェット・リー)の映画「SPIRIT」で、彼が演じた霍元甲の使う武術として広く知られるようになりました。

中国では軍隊でも迷踪拳を教えていたこともあり、実戦的な武術として有名な武術門派で、徒手以外に剣・刀・槍・棍の基本的な武器術の他にも、多種多様な武器術が伝わっています。

( 写真は精華武術會代表による迷踪拳一路 )